本科を卒業した横須賀さんと福田さんを中心に行った結果が,論文(オープンジャーナル)として出版されました.
タイトル:Room temperature magnetic shape-memory effect in strontium-doped lanthanum cobaltite single crystals
著者:A. Yokosuka, H. Kumagai, M. Fukuda, K. Ando, Y. Hara, and K. Sato
雑誌:AIP Advances 10, 095217 (2020)
URL: https://doi.org/10.1063/5.0021751
菱面体の双晶構造を示すLa0.8Sr0.2CoO3の磁歪の温度依存を調べました.擬立方晶の[111]c方向に磁場を印加すると,磁歪は大きなヒステリシスと残留歪みを示します.X線回折から,この残留歪みは双晶変形により生じていることが分かりました.各温度で磁歪を測定した結果,双晶変形を生じる磁場Hcは,温度とともに強くなりました.しかし,室温で常磁性であるにもかかわらず,双晶変形は約6Tの磁場で生じました.室温で磁場により双晶変形を示す酸化物は初めての報告です.Hcの温度依存生は,磁化の温度依存生と関連あることが分かりました.
一度磁場を印加してしまうと形状が変化して元に戻りません.一軸応力を加えると元に戻るのですが,試料を割らないように行うのが大変でした.
横須賀さんと福田さんの卒業は1年半前(2018年3月)になります.何とか纏められて良かったです.