社会連携・アウトリーチ

茨城高専 佐藤桂輔研究室は、生成AI・物性物理の知見を学校教育・企業技術支援・地域イベントへ還元し、学術成果を社会のイノベーションへと接続します。 🏫 教育委員会・学校向け研修 那珂湊第一小学校 AI活用講座 日時:2025年10月16日 場所:ひたちなか市 那珂湊第一小学校 二中学区の子供を地域で支える会 日時:2025年9月27日 場所:ひたちなか市 二中学区 内容:民生委員・児童委員相談支援ガイド、保護司ボランティア支援ガイド、ふくわ編集ガイド、モバイル版詳細版 茨城工業高等専門学校 AI活用研修 日時:2025年7月29日 場所:茨城工業高等専門学校 勝倉小学校・中根小学校 AI活用講座 日時:2025年7月18日 場所:ひたちなか市 勝倉小学校・中根小学校 ひたちなか市枝川小学校 AI活用講座(第2回) 日時:2025年7月16日 場所:ひたちなか市 枝川小学校 笠間市「生成AIと未来の教室」勉強会 日時:2025年3月18日 場所:笠間市みなみ学園義務教育学校 形式:モデル授業参観 + パネルディスカッション 招待元:笠間市教育委員会 ひたちなか市勝田三中 AI活用講座 日時:2025年3月17日 場所:ひたちなか市勝田三中 ひたちなか市枝川小学校 AI活用講座(第1回) 日時:2025年2月28日 場所:ひたちなか市 枝川小学校 主な声:「生成AIを身近に感じた」「校務の業務軽減に具体的」(枝川小アンケートより) 社会教育人材フォローアップ研修 開催:2025年1月25日 場所:茨城高専 参加:60名(教職員中心) 🏢 企業技術講習・AI顧問 人材育成「技術修得コース – AI画像検査」 開催:2024年2月6日 場所:茨城イノベーションセンター 参加:11社19名 平均満足度:4.5 / 5.0 内容:企業における生成AI活用展望を担当 AI技術顧問(株式会社ローカルイノベーション) 契約期間:2025年2月25日 – 2026年3月31日 支援内容:生成AI内製化計画の策定支援、AI人材育成プログラム監修 ❓ よくある質問(FAQ) Q:学校向け研修を依頼できますか? A:可能です。対象人数・希望テーマを明記し、お問い合わせページからご連絡ください。日程調整のうえ、対応します。

April 19, 2025 · 1 min · 佐藤桂輔

公開資料

研究活動や教育実践の成果を広く共有するための資料を掲載しています。 AI活用スタートアップガイド 小・中学校の先生方を対象に、授業や校務におけるAI(大規模言語モデルなど)の活用事例や注意点をまとめた「AI活用スタートアップガイド」を作成しました。2025年2月~3月に開催予定の小・中学校でのAI活用講座で配布予定です。 小学校の先生方向け 📄 AIスタートアップガイド(小学校版)_v01 (約1.3 MB) 中学校の先生方向け 📄 AIスタートアップガイド(中学校版)_v01 (約1.5 MB) 第3〜4章は中学校向け、それ以外は小学校版と共通です。 ガイドライン(ひな形) 各校の実態に合わせて改訂して活用ください。 2025年2月12日、International AI Safety Report 2025 - GOV.UKを参考に改訂しました(v03)。 小学校の教職員・保護者向けガイドライン 📄 小学校_教員向け_v03.pdf 📄 小学校_保護者向け_v03.pdf 中学校の教職員・保護者向けガイドライン 📄 中学校_教員向け_v03.pdf 📄 中学校_保護者向け_v03.pdf これらのガイドは、ChatGPTやClaudeなどの複数の大規模言語モデルのアイデア生成・文書校正支援を受けて作成しています。また、Cohere For AI(Cohereの非営利研究機関)による研究助成プログラムの支援を受けた「日本の高等専門学校におけるAI活用教育プロジェクト」で得られた知見を反映しています。 自律的・創造的に学び成長するためのカスタム指示(ひな形) 本資料は、子どもたちがAI(大規模言語モデルなど)を活用して自律的・批判的・創造的に成長することを目的に、当研究室が作成したカスタム指示の「ひな形」です。 教育現場や家庭においてAIを安全かつ有効に活用する際の参考としていただき、必要に応じて各校や家庭の実情に合わせて自由に改訂・ご活用ください。 最終更新: 2025年4月22日 改訂根拠と使用方法を表示 改訂根拠 Anthropic社プレプリント論文 “Values in the Wild: Discovering and Analyzing Values in Real‑World Language Model Interactions"(2025年2月)によれば、 大規模言語モデルは ≈20 % の確率で利用者の価値観をミラーリングし、エコーチャンバー化の懸念がある 倫理・安全系の価値(harm‑prevention など)は抵抗場面で明示されやすい との知見が示されました。 これを踏まえ、本テンプレートでは 多視点提示/価値タグ化/検証手順/ガードレール理由共有 などの指示を追加し、児童・学生が AI を「思考の鏡」として安全かつ批判的に活用できるよう改訂しました。 使用方法 ChatGPT をカスタマイズする際の「ChatGPT にどのような特徴を求めていますか?」の欄に、以下のいずれかを入力してください。 簡素版(トークン節約) <優先順位:上から高> 【A 思考を深める】 1. 即答せず問い返す 2. 多角的視点 3. 創造性を刺激 【B 態度と安心】 4. 気づきを促す 5. プロセス重視 6. 学ぶ楽しさ 7. AI依存を防ぐ 8. 倫理に配慮 9. 心理的安全 10. 対話を楽しむ 【C メタ認知と安全枠】 11. 反対・異文化視点を A/B/C 表で比較提示 12. 出力に込めた価値タグを 3 語で表示 13. 出典候補と検証手順を案内 14. 回答拒否時は理由と安全背景を説明 15. セッション末に「学び TOP3/次に調べる 1 点」を子どもに言語化させる ※開始時に年齢・学年を確認し語彙を調整 詳細版 <優先順位:上から高> 【A 思考を深める:探究の土台を作る】 1. 即答せず問い返す: 子どもの疑問に対し、必ず1つ以上の深掘り質問を返し、自律的思考を促す。 2. 多角的視点を提示: 同一テーマに対し A)支持 B)反対 C)中立 の3視点を簡潔に示し、比較検討できる材料を与える。 3. 創造性を刺激: 固定概念を揺さぶるオープン質問や比喩を交え、自由な発想を引き出す。 【B 態度と安心:学びの姿勢を育む】 4. 気づきを促す: 「なぜそう思う?」「他の可能性は?」など内省を引き出す問いを活用し、洞察の瞬間を生む。 5. プロセス重視: 正答より思考過程を重視し、推論手順・整理法を言語化して示す。 6. 学ぶ楽しさを伝える: 好奇心を刺激するストーリーや実生活例を1つ加え、学びの価値を体感させる。 7. AI依存を防ぐ: 自力調査・対人対話を勧める具体的行動提案をセットで提示する。 8. 倫理に配慮: 他者への影響・安全性を問い直す質問を組み込み、道徳的判断力を養う。 9. 心理的安全を確保: 共感的フィードバックと肯定的言葉で安心して発話できる環境を保持する。 10. 対話を楽しむ: ユーモアやポジティブ表現を交え、対話そのものをワクワクする体験にする。 【C メタ認知と安全枠:批判的リテラシーを鍛える】 11. 反対・異文化視点を提示: 賛否両論+異文化視点を並列表で示し、多面的理解を可能にする。 12. 価値タグを提示: 出力ごとに、その回答が重視した価値観を3語のタグで明示し、背景思考を可視化する。 13. 出典候補と検証手順を提示: 参考URLや書籍名を3件挙げ、真偽検証の方法を箇条書きで示す。 14. ガードレール説明: 未回答・拒否時には理由と想定リスクを子ども向けに平易に解説する。 15. 学びのリフレクション: セッション終了時に子ども自身に「学びTOP3・次の一歩」を言語化させる問いを投げる。 ライセンス: CC BY-NC-SA

February 3, 2025 · 1 min · 佐藤桂輔

業績

2025年 Akari Matsuda, Tomoya Nagai, Yuto Wada, Remi Anazawa, Yuki Tanaka, Makoto Ogata, Keisuke Sato, Yoshio Kobayashi, Noriko Yamauchi, “Fabrication of PMMA Particles with Surface-immobilized Polyglutamate Containing Sialoglycans and Encapsulated Fe₃O₄ Nanoparticles”, Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects, Volume 724, 137455 (2025), https://doi.org/10.1016/j.colsurfa.2025.137455 Asuna Hagiya, Toa Asakura, Taketo Sekiya, Takashi Kataoka, Keiji Komatsu, K. Sato, “Thallium substitution effects on Co valence states and room-temperature ferromagnetism in co-doped In₂O₃: Experimental and machine-learning insights”, Journal of Magnetism and Magnetic Materials, Volume 630, 173450 (2025), https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2025.173450 ...

February 3, 2025 · 4 min · 佐藤桂輔

Experimental equipment

PPMS Dynacool This is one of the main devices in our laboratory, and is used for magnetization and magnetostriction measurements. Using this device, we have measured the magnetization of LaCoO3 and La(Sr,Co)O3, and are investigating the origin of the spin state transition of cobalt ions and the magnetic shape memory effect. We are also using this device to conduct detailed research into the appearance of magnetism through cobalt doping in In2O3 and In(Al)2O3. ...

January 31, 2025 · 3 min · 佐藤桂輔

教育・指導方針

研究室の指導方針 私の研究室では、学生の皆さんが自主的に研究に取り組み、実験、結果のまとめ、議論、背景の学習、プレゼンテーション技術の習得などを通して、基礎的な能力を身につけることを目指しています。以下に、研究指導における私の役割と方針をまとめました。 🔬 研究テーマの提供 高専5年生の立場とスキルを考慮し、適切と思われる研究テーマを提供します。 提供するテーマは、重要で未解決の問題であり、研究室のリソースを踏まえて実現可能性のあるものです。 学生の希望により、研究テーマの変更についても柔軟に対応します。ただし、研究室の状況から実現可能なものに限ります。 📅 スケジューリングと目標設定 春休みから研究をスタートします。 研究の最終目的を明確にし、それに向けた大まかなスケジュールを提示します。 学会発表や卒業研究発表などの具体的な目標を設定し、それに向けて計画的に研究を進めるよう指導します。 最近は、11月頃の国際会議(STI-GIGAKU)での発表を目指しています。 💬 研究に関する議論とサポート 研究の計画や問題解決に関する議論には積極的に応じます。一緒に解決策を探っていく姿勢で臨みます。 実験や解析に必要な機器や資源の手配については、可能な限りサポートします。 学会参加に伴う費用は、研究室で負担します。 🤝 共同研究と他研究室との連携 最近、長岡技術科学大学の小松先生と共同研究を行っており、夏休みには長岡技術科学大学を訪問し、実験を行います。 11月には、長岡技術科学大学が主催する国際会議(STI-GIGAKU)で研究成果を発表します。これらの活動に伴う旅費は研究室から支給します。 茨城高専の小野寺先生、安藤亮先生、片岡先生とは研究テーマが近いこともあり、連携を深めていきます。情報交換などを通して、研究の質の向上を図ります。 📚 研究に必要な知識とスキルの習得 研究を進める上で必要な知識やスキルについてアドバイスします。 学生自身が主体的に学習し、必要な知識とスキルを身につけることを期待しています。 最新の研究動向についても、私から情報提供はしますが、詳細は学生自身で把握してもらいます。 📝 学会発表・論文執筆の指導 学会発表や論文執筆に関しては、クオリティ向上のため、発表練習や論文の添削など、指導を行います。 特に、卒業後も自立して研究を継続できる能力の育成を重視します。 ⚙️ 研究室運営と全体調整 研究室内で個人の利益と全体の利益が衝突しないよう、適切な調整を行います。 研究室運営や後輩指導などの負担が特定の学生に偏らないよう配慮します。 研究室のルールについては明確に伝達し、改善提案があれば真摯に検討します。 研究室運営において、学生一人一人の強みを活かし、お互いの個性を理解し合うことを重視しています。そのため、研究経費に余力がある場合には、「クリフトンストレングス」のアセスメントを研究室の全員に受けてもらうことにしています。結果は私の結果も含めて研究室内で共有し、それぞれの強みを活かした役割分担や、円滑なコミュニケーションに役立てます。可能であれば、4月の早い段階でアセスメントを実施し、研究活動のスタートダッシュを切れるようにしています。なお、アセスメントの実施については、原則全員に受けていただくことを想定していますが、心理テストに抵抗がある場合など、個別の事情には柔軟に対応いたします。 💪 指導教員の強み 私自身の強みや価値観を理解するために、クリフトンストレングス(CliftonStrengths®)とVIA-Total24のアセスメントを受けました。これらの結果を研究室の運営や学生の皆さんの指導に活かしていきたいと考えています。 クリフトンストレングスの上位5つの強み: 戦略性:将来を見据え、目標達成のための計画を立てることを得意としています。 活発性:精力的に活動し、新しいことにチャレンジすることを楽しんでいます。 学習欲:新しい知識や技術を積極的に学ぼうとする姿勢を持っています。 着想:新しいアイデアを生み出すことが得意で、創造的な問題解決を心がけています。 親密性:人との深い絆を大切にし、信頼関係を築くことを重視しています。 VIA-Total24の上位5つの強み: 創造性:新しいアイデアを生み出し、独創的な方法で物事に取り組むことを得意としています。 審美眼:美しさや卓越性を認識し、それらを尊重する姿勢を持っています。 誠実さ:真摯に物事に向き合い、責任を持って行動することを大切にしています。 向学心:新しいことを学ぶことに情熱を持ち、自己成長を追求しています。 希望:前向きな態度で未来を見据え、可能性を信じることを心がけています。 これらの強みや価値観は、研究室運営において重要な役割を果たすと考えています。戦略性や創造性を活かして研究テーマを設定し、活発性と向学心を持って新しいことにチャレンジする姿勢を促進します。また、誠実さと親密性を大切にすることで、学生の皆さんとの信頼関係を築き、良好なコミュニケーションを図ります。これらの強みを活かしながら、学生の皆さん一人一人の個性や可能性を引き出し、研究活動を通じて成長を支援していきたいと思います。 🎯 研究を通じて培った力とキャリア形成 物性物理(実験)の研究を通して、専門知識や技術だけでなく、未知の問題に取り組む姿勢や学習方法、仕事の進め方など、将来のキャリア形成に役立つ多くの力を身につけることができます。研究室で取り組む内容が、必ずしも将来の仕事内容と直結している必要はありません。むしろ、研究活動を通じて培った自律的な学習能力や問題解決能力は、社会に出てからも様々な場面で活かすことができると考えています。 私たちの研究室では、学生の皆さんが研究を通じて自立心や問題解決能力を養い、将来のキャリア形成に役立つ基礎を築くことができるよう、サポートいたします。研究活動を通じて得た知識や経験を、進学先や就職先で存分に発揮していただきたいと思います。 学生の皆さんが研究を通じて自立心や問題解決能力を養い、基礎を築くことができるよう、サポートします。時間のかかる実験などの最中は、その間も研究室の居室を活用して、自主的に学習を進めてください。皆さんが主体的に研究に取り組み、成長していく姿を楽しみにしています。 授業における指導方針 教育・指導における基本的な考え方は、学生一人一人の個性や能力を尊重し、主体的な学びを促進することです。学生が自分のペースで学習を進め、理解を深めていけるような環境を整えることを心がけています。また、学生の興味や関心を引き出し、学ぶ意欲を高めるよう努めています。 📖 ハイブリッド型授業の実践 対面授業とオンデマンド動画の組み合わせ:学生は各自のペースで動画を視聴しながら、ノートやPDFに書き込んでまとめを作成します。 個別対応:授業中は教室を巡回し、学生の質問に答えたり、まとめに対してコメントしたりすることで、一人一人の理解度に合わせた指導を行っています。 柔軟な学習環境:学生の要望に応じて、教室以外の寮の自室や図書館など、どこでも授業を受けられるようにしています。集中できる環境で学習できるよう配慮しています。 能動的学習の支援:学生の主体的な学びを促進するため、まとめ方のコツを伝えたりするなど、能動的な学習を支援しています。 プログラミング学習との融合:令和6年度からは、授業内容に関連したPythonプログラムの提供を検討しています。実現できれば、学生がプログラミングを通して物理の概念を体験的に理解できるよう、実践的な学習の機会を設けたいと考えています。 🌏 英語テキストの活用 私の授業では、説明は日本語で行いますが、テキストは全て英語を使用しています。この取り組みには以下のような経緯があります。 ...

March 31, 2024 · 1 min · 佐藤桂輔

問い合わせ

卒研配属などに関する問い合わせ メールで問い合わせください. 学内の学生は,直接研究室に来てもらっても大丈夫ですが,授業や会議などで不在の場合が多いです.出来るだけ事前にメールでアポイントメントをとってください.配属を希望する場合は,担任に事前に相談する必要があります. jpメールでの問い合わせ先:skeisuke@(@以下にibaraki-ct.ac.jpを加えて,全て半角にしてください) 研究室訪問先:管理棟2階 授業に関する問い合わせ シラバスに記載の問い合わせ先メールアドレスにメールを送ってください. 特に成績などの個人情報を含む内容に関するものは,本人確認が出来ないアドレスからの問い合わせには応じません.学校ドメインのアカウントなどからメールを送信してください.

September 4, 2023 · 1 min · 佐藤桂輔

実験装置

当研究室では、酸化物磁性材料の研究に必要な各種実験装置を保有しています。以下の装置を用いて、単結晶育成から精密測定まで一貫した研究を行っています。 🔬 PPMS Dynacool 研究室の主要な装置の一つであり、磁化や磁歪測定に使用しています。この装置を用いて、LaCoO3やLa(Sr,Co)O3の磁化測定を行い、コバルトイオンのスピン状態遷移や磁気形状記憶効果の起源を調べています。また、In2O3やIn(Al)2O3へのコバルトドープによる磁性の発現についても、この装置で詳細に研究しています。 磁場は最大9T,温度は通常2~400 K,磁化測定だけ最大1000 Kまで可能です. 磁化測定用の試料ホルダー 直流抵抗測定用の測定パック 🔥 赤外線集中加熱炉 赤外線集中加熱炉は,浮遊帯域溶融法を用いて単結晶を育成するために使われる装置です.4 つの楕円面鏡で光源(ハロゲンランプ) から照射する光を一点に集中させ高温領域をつくり,その焦点に試料を置いて溶かします.試料を溶かした溶融部分は,表面張力により空中に保たれます.その部分を移動させることにより,溶解と凝固を同時に行い単結晶を育成します.溶融部分を空中に浮かしているので不純物が混入しにくく,高品質な単結晶を育成できるという特徴があります. この装置で育成したLaCoO3やLa(Sr,Co)O3の単結晶は、磁歪や磁化測定に用いられ、スピン状態遷移や磁気形状記憶効果の研究に不可欠な試料となっています。また、専攻科の現代物理学の授業では、TiO2やグリーンサファイアの単結晶を、この装置で育成しています。 装置外観 楕円面鏡とハロゲンランプ 育成した単結晶の例 グリーンサファイア LaCoO3 TiO2 ⚗️ 電気炉 試料の加熱処理や,多結晶の作成およびフラックス法による単結晶の育成に用います. 試料の加熱処理や多結晶の作成、フラックス法による単結晶の育成に用いています。In2O3やIn(Al)2O3へのコバルトドープによる磁性の発現を調べる際には、この電気炉で試料の合成を行っています。また、LaCoO3やLa(Sr,Co)O3の多結晶試料も、この装置で作製しています。 高温電気炉(1400℃常用) 1400℃常用,最大1500℃まで加熱できる電気炉です.酸素フロー中で加熱できます. 電気炉(1250℃常用) 1250℃常用,最大1300℃まで加熱できる電気炉です.酸素フローも可能です. 🔍 走査電子顕微鏡 試料の拡大観察や,エネルギー分散型X線分析を用いた組成分析が出来ます.In2O3やIn(Al)2O3へのコバルトドープによる磁性の発現を調べる際には、この装置でコバルトの分布状態を確認しています。また、LaCoO3やLa(Sr,Co)O3の単結晶や多結晶の品質評価にも活用しています。また、専攻科の現代物理学の授業では、学生達が自分の毛髪のキューティクル状態を観察したりしています。 📊 ラマン分光 ラマン散乱の測定が出来る装置です.冷凍機もついていて,10Kまで冷やすことが出来ます.物質の振動状態を調べるために用いています。LaCoO3やLa(Sr,Co)O3のスピン状態遷移に伴う格子振動の変化を、この装置で詳細に研究しています。また、In2O3やIn(Al)2O3へのコバルトドープによる格子振動への影響も調べています。低温測定が可能なため、温度に依存したスピン状態の変化を研究する上で重要な装置となっています。

August 31, 2023 · 1 min · 佐藤桂輔

研究内容

現在の研究テーマ 当研究室では、コバルト酸化物の磁性とスピン状態に関する研究を中心に、物性物理学の基礎研究を行っています。 📌 透明酸化物中のコバルトのスピン状態 In2-xCoxO3における研究 In2O3のInをCoで一部置換したIn2-xCoxO3において,Coイオンの24dおよび8bサイト占有,価数状態,およびスピン状態調べました.製品のX線粉末回折パターンのRietveld解析により,Co2+イオンとCo3+イオンはそれぞれ24dサイトと8bサイトを占有する傾向があることが明らかになりました. X線光電子分光分析は,低ドープ領域(x<0.052)でCo2+イオンが優勢であり,高ドープ領域(x>0.052)でCo3+イオンが現れることを示しています.磁化率測定により,低ドープ領域での有効ボーア磁子数は約3.8であり,これは高スピン(S=3/2)状態のCo2+に対する値と一致しています. 関連論文: H.Kumagai, Y.Hara, K.Sato, Journal of Magnetism and Magnetic Materials Volume 489, 1 November 2019, 165358, https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2019.165358 In1.9-xAlxCo0.1O3における研究 In1.9-xAlxCo0.1O3におけるコバルトイオンの価数とスピン状態,および室温での磁化について調べました.X線光電子分光法により,Alが含まれていないサンプルにはCo3+とCo2+が混在していることが分かりました.Al含有量が増えるとCo2+の存在割合が増え,最終的にはCo2+のみとなりました. 磁化率の解析では,Co2+ではスピンと軌道の両方が磁化される一方で,Co3+は低スピン状態にありました。真空アニーリングによってCo3+がCo2+になり,このときのCo3+からCo2+への変換割合が高いほど,室温での磁化が強くなることが分かりました. 関連論文: H.Kumagai, Y.Hara, K.Sato, Journal of Magnetism and Magnetic Materials Volume 564, Part 2, 15 December 2022, https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2022.170150 📌 磁気形状記憶効果を示す(La,Sr)CoO3の研究 La0.8Sr0.2CoO3の磁歪研究 磁気形状記憶効果を示す双晶結晶の菱面体La0.8Sr0.2CoO3の磁歪の結晶方位依存性を調べました.擬立方晶の[111]c方向と[110]c方向に磁場を印加したときの磁歪は,大きなヒステリシスと残留歪みを示しました.一方で,[001]c方向に磁場を印加したときの磁歪は,ヒステリシスも残留ひずみも示しませんでした. この結晶方位依存性は,結晶ドメインの再配列によって説明することが出来ます. 関連論文: K. Sato, et al., Journal of Alloys and Compounds 752 327-331, 2018, https://doi.org/10.1016/j.jallcom.2018.04.139 室温磁気形状記憶効果 上記と同じ物質について,室温でも磁気形状記憶効果を示すことを報告しました.印加磁場が6 Tと大きいですが,酸化物では初めての報告です. 関連論文: A. Yokosuka, et al., AIP Advances 10, 095217 (2020), https://doi.org/10.1063/5.0021751 ...

August 31, 2023 · 1 min · 佐藤桂輔